私、営業力があると思っていたのは、幻だったのか

法人営業でMVPを2回獲った私が、そう思い始めていました。飛び込み営業で興味ゼロの相手を口説いてきた私が、自ら問い合わせてきた相手に断られ続けている。成約率は計算上10%はいけるはずだった。それなのに、5面談して0成約。自己肯定感が崩れ落ちるようでした。


6回目の面談に向かう前、私はやっていることがありました。
唯一成約していたクローザーの面談動画を、見まくることです。
7名いたクローザーの中で、成約していたのは1人だけ。その人のタイプが自分に近いと感じた。他の人は私とタイプが違いすぎて、真似しても意味がないと思った。だから成約している1人だけを徹底的に研究しました。
「何が違うんだろう」
結果が出ていない状態で、分析を止めませんでした。

動画を見続けて、わかりました。
私の強みはラポール形成です。初対面の相手と信頼関係を作ることは得意でした。だから失注しても、相手が失注理由を丁寧に教えてくれた。それは間違っていなかった。
でも、足りなかった。
唯一成約していた彼女は、共感とヒアリングまでは私と同じでした。そこから先が違った。
彼女は「未来を揺らす」のが巧みでした。現状を続けた先にどんな未来が待っているか。この選択をしなかった場合に手に入らないものは何か。感情を動かすことで、相手が自ら動き出す状態を作っていた。


そして100万円という高額商品に対して「高い」となる前に、相手が今まで分割で払ってきたものを丁寧に聞き出していた。価格の抵抗を、比較で溶かしていたんです。
私はラポールで止まっていた。彼女はその先まで連れて行っていた。

売れない理由は、才能じゃなかった。プロセスの設計の違い

この経験で、気づいたことがあります。
営業と一口に言っても、使う筋肉が違う。
本業の法人営業は、半年から1年かけて信頼を積み上げ、タイミングを見てクロージングする。でもクローザーの仕事は90分で相手に決断させる。似ているようで、まったく別のスポーツでした。

私は長距離走者として鍛えてきた筋肉で、短距離走に出場していた。0成約の本当の理由はそこにありました。


そしてもう一つ。

0成約だった私には、他のクローザーと違うことが一つだけありました。失注理由を、相手が丁寧に教えてくれたことです。
「お金がない」「時間がない」という表面的な理由ではなく、本音を話してくれた。それはラポール形成ができていた証拠でした。そしてその言葉の中に、広告設計のヒントが隠れていた。顧客の深層心理が、失注の中にあったんです。

結果は0成約。でも私は、誰よりも多くを学んでいました。

失注の中にこそ、次の成功の設計図

売れなかった経験は、無駄じゃない

ABOUT ME
ぽんず
124社落ちた元事務職が、飛び込み営業で全国1位2回。営業歴17年の現役営業が、「売れない」を構造で解剖している。